そのひと

そのひとのこと

 

謎の行動をした時に叱られたひと

人生に酸味を入れてくれたひと

会えると信じて念押しまでしたのにそのまま消えていったひと

 

 

最近は特に時代がバラバラだ

毎日が今までの総集編のように動いているからなのだろうか

新鮮味はあるが既視感の塊だからだろうか

どこかどこかで

そのひとと重ねてしまう

いや、類型化して当てはめようとしている弊害なのだろうか

 

私は忘れることが得意だ

嫌なことはすぐに忘れる

ただ、時々フラッシュバックするのだ

あの時こうしていれば

できないはずの後悔や

感じてはならない恥ずかしさ

 

そのときそのひと

 

壁を壊してくれたそのひと

ジェットコースターにトラウマをつけてくれたそのひと

おさまらない怒りごと理科室に閉じ込めたそのひと

 

少なくとも私は傷だらけなのだろう

古傷が痛むような

そんなフラッシュバック

 

誰かが教えてくれた

 

  なぜ、古傷が痛むか

  忘れてほしくないから

 

忘れっぽい私にたまの痛みを思い起こさせてくれる

 

人間であることを活かして上手く生きているけど

もしこれで苦しむのならそれもまた人間だからなのかな

 

もう会えない。

来週。来月。来年。会える。

そのひと

 

夏の夕立のように、頭にぱっと浮かぶ

記憶の中のそのひと

 

たまにインスタを開くとああとなる

そしてプロフィールを見ていろいろ考えてしまうそのひと

 

ふつうのひととは違う感情を持っていた

そのひと

 

きっかけもなにも覚えていないけど

気づいたら1番近くにいてくれるそのひと

 

追いかけても追いつかない

けど隣にいるような気がするそのひと

 

これからも名無しさんが減るかぎり

そのひとは増えていく

 

そのひとの足元を

彩りよくする手伝いをするのが

わたしの役目かしら

 

また

そのひとの足元に花が咲いた

喜び以外の感情も降ってくるけれど

 

 

 

また、わたしの役目を果たした

 

ニョイ